窮状
昭和40年生まれの世代にとって
歌手 ジュリーこと沢田研二さんの存在は格別なものではないだろうか。
ジュリーは、まさに"スターの中のスター"
ジュリーこそ70年代~80年代の歌謡界の象徴といえる。
歌唱力、声量も抜群にある。
ヒット曲は『勝手にしやがれ』、『サムライ』、『ストリッパー』と多数ある。
しかしながら、その存在は、アイドル的であり、
作られたイメージの世界に住む、ディズニーランドのミッキーマウスのようなポジションだった。
けっしてアイドルが悪いということではない。
人に夢を与えるアイドルは、姿形を変えようとも、いつの時代でも必要な存在であると思う。
その沢田研二さんは"わが窮状"という憲法九条へのラブソングを歌われている。
2008年『ROCK'N ROLL MARCH』というアルバムで、
それも9曲目に収録されているこだわりよう。
作詞が、ジュリー本人ということも驚かされる。
この歌をもって、"アイドル 沢田研二"という立場から、
"人間 沢田研二"になろうと思われたのではないだろうか。
「9条」が「窮状」ということで、
今、日本の憲法が危機に瀕している
「この窮状を救おう」と歌っているのだ。
「変化に気づかないカエルは熱湯の中で死ぬ」
と聴いたことがある。
平和だから、アイドルで居られた。
ジュリー ジューリ~~ あんたの時代は良かったー(笑)
危機感を抱いたから、アイドルという位置から、人間としての立ち位置に換える。
民主党政権から、自民党政権に復権した。
党の政策には「自衛隊から国防軍に変える」という改憲が含まれている。
九条が窮状。
この九条のおかげで、
(この数十年)誰も撃たなくても済んだ。
(この数十年)私たちは守られてきた。
ロック歌手 忌野清志郎(いまわのきよしろう)さんは、
かつてステージでこんなことを言っていた。
「この国の憲法を知ってる?」
と客席に問いかける。
「戦争をしない、戦争には加担しない。それは、ジョン・レノンの歌のようだ。世界中に自慢したい。」
九条とジョン・レノンの名曲『イマジン』
想像してみよう
天国はない
国境もない
命を奪う武器も
宗教の違いもない
憲法をジョン・レノンの歌と並び讃えるのは、いかにも清志郎さんらしいセンスである。
清志郎さん、ジョンは果たして天国があるのならば、そこから、どんな気持ちで、こちらを見ているのだろうか。
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